June 28, 2013

テムズバリアー(テムズ川河口堰, Themes Barrier)


BBCのTVドラマのMI 5(spooks)で出てきた建築物(GyaO! MI‐5 シーズン5 第10話 ロンドン沈没)。外観が面白い!
 
高潮と強風が合わさると海側から水が押し寄せて、ロンドンに洪水をもたらす。これを防ぐために1983年頃にテムズバリアーが完成した。年に5~10回程度稼働しており、洪水を防いでいる。耐用年数は長く、年8mmの海面上昇を見込んでも2030年までは1000年に1度の頻度で起きる高潮であっても防げるという。実際には2060~2070年まで効果は低減していくものの、使用可能と見込まれている(wikipedia英語版)。
 
Thems barrier, テムズバリアー, テムズ川河口堰
テムズバリアー

劇中では、環境テロリストが爆破を狙って訪れ、政府が脅迫される。興味深いのは、そのテロリストがニューオーリンズの洪水で婚約者を失ったという設定だ。

ニューオーリンズもロンドンと同様低地であるため、常に洪水の危険にさらされていることは広く知られていたが、ロンドンとは違いハード面、ソフト面の対策を放置したため、洪水による大きな被害を受けてしまった町である。ニューオーリンズの洪水は予想された危機だったともいわれている(Predictable Suprises(amazon.com))。

ニューオーリンズと違ってロンドンはテムズバリアーを築いたので洪水を逃れたように思える。しかし、劇中では、政府が温暖化対策をないがしろにしており、より長期的な観点では温暖化による海面上昇という将来の危機を見過ごしていることが描かれている。作者の皮肉だろうか?一難去って一難。本当の意味で問題に真面目に取り組むのは難しい。

実際のテムズバリアーについても、海面上昇のリスクの指摘はされているし、新テムズバリアーを建築しようという提案も出ているようだ。新テムズバリアーは単なる河口堰ではなくテムズハブプロジェクトの一部として道路、鉄道を通し、ロンドン地区の交通を改善することも目指すとのこと(wikipedia英語版)。

目前の利益、課題だけに惑わされず、何が本当に問題なのか、と問う姿勢を忘れないようにしよう。そのためには、常にオープンな議論を保つ勇気を持っていたい。

No comments :

Post a Comment